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2023.4.25

国内株式投資: 株式投資の基礎知識!銘柄選定の方法とは?

国内株式投資: 株式投資の基礎知識!銘柄選定の方法とは?
目次
01. 
株式投資の基本とは?
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02. 
リスクとリターンを理解しよう
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03. 
ポートフォリオの構築方法
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04. 
銘柄選びのポイント
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05. 
おすすめの投資手法
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06. 
長期投資と短期投資の違い
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07. 
日本株投資における注意点
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08. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さんこんにちは!

今回は株式投資についてです。株式市場は、様々な要因で大きく揺れ動きます。企業の業績や経済情勢などはもちろん、ウクライナ・ロシアなどの地政学リスク含む様々な要因が株式市場に影響を与えます。

株式投資をこれから始めたい方にとっては、それによる恐怖心や、そもそも何から始めたら良いのか分からないと思っている方も多いのではないでしょうか。この記事ではそういった方に向けて、株式投資の基本について解説します。国内株式投資と、米国株式などの日本国外への株式投資でも本質は同じですが、今回は主に日本株式への株式投資という観点で説明させて頂ければと思います。

今回は長期投資と短期投資での投資戦略の違いや、ポートフォリオの構築方法、銘柄選びのポイント、おすすめの投資手法など、実践的な情報をご紹介します。投資はリスクがつきものですが、正しい知識と適切な手法を使うことで、リスクをコントロールし、自身が思い描く形での資産形成を目指すことができます。

株式投資の基本とは?

資産運用において、リターンをどう獲得していくかという観点で簡単に2つに分けると、安く買って高く売ることで利益をあげるキャピタルゲインと、配当金や利金などを受け取ることで利益をあげるインカムゲインの二種類があります。株式投資では、株を購入し、その株価が上昇したところで売却し、その差額を利益とするキャピタルゲインと、企業が株主への還元として定期的に支払う配当金を利益とするインカムゲインの両方があります。(企業によっては配当金を設定していないところも多いので、その場合はキャピタルゲインのみとなります。)

また長期投資と短期投資の2つの戦略があり、長期投資の場合は数年間といった時間軸で株式を保有することでキャピタルゲインとインカムゲインを享受する方法です。短期投資の場合は、デイトレーダーやスイングという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、株式を数分数日という短期間のみ保有し、株価が上昇した時点で利益を確定させる投資方法となります。短期投資では通常キャピタルゲインのみを狙っていきます。

リスクとリターンを理解しよう

株式投資は、ハイリスク・ハイリターンな投資とよく言われます。ではここでいうリスクとリターンとは何なのでしょうか?株式投資でいう「リスク」は、日常で使うリスクという言葉とは若干意味が違います。危ないや危険という意味合いはなく、リターンの振れ幅を指しています。なのでハイリスクというのは、超危険という意味合いではなく、価格の振れ幅が非常に大きいという意味となります。なのである年は+20%になったと思ったら翌年は-15%になったりと大きく変動することになります。これを数十年といった尺度で平均リターンを算出すると他の投資対象と比較してリターンが高いということになり、そこが株式投資がハイリスク・ハイリターンと言われる所以です。

リスクを最小限に抑えつつ、リターンを最大化するというのは実際は矛盾しています。実際にリターンを最大化することだけを考えれば、リスクも最大限取らなければなりません。ただし投資家それぞれで求めるリターンや投資方法は違います。

2倍になるかもしれないけど半分になる可能性も同様にある、という投資をしていると理解して投資してる分にはまったく問題はありません。一番よくないのは定期預金よりは多少多めのリターンが欲しいけど、元本割れリスクは最小化したいという投資家が、自分の投資手法を理解せずに実は2倍になるかもしれないけど半分になるかもしれないというリスクを取るというような事態です。こうならないためには、投資家は一つの株式銘柄に全部を賭けるような投資手法を避ける必要があります。

株式投資において大型株よりは小型株のほうがハイリスク・ハイリターンと言われています。国内株式投資であれば、現在は東証の場合にプライム市場、スタンダード市場、グロース市場がありますが、大型株が占めるプライム市場よりは、成長株が占めるグロース市場のほうが投資対象としてはハイリスク・ハイリターンとなるでしょう。

ポートフォリオの構築方法

ポートフォリオ(投資配分)のイメージ図

ポートフォリオとは、複数の投資先を組み合わせて投資配分を行う手法となります。例えば国内株式だけであっても6銘柄に分散して投資するなどでも立派なポートフォリオとなります。

ポートフォリオを構築する際には、投資対象の業種や企業規模、リスク分散を考慮することが重要です。ある業種に強い株式や、地域に特化した株式を組み合わせたり、投資先の企業規模に配慮したポートフォリオを構築することで、リスク分散効果を高めることができます。もちろん株式だけでなく債券や金やプラチナなどの貴金属への配分をしても結構です。

また、投資目的に応じて投資配分を行うことが必要です。投資目的が長期的な資産形成であれば、リスク分散のために株式と債券を組み合わせたポートフォリオを構築することが適しています。逆に、短期的な利益を追求する場合は、多くの銘柄をウォッチするのも大変なので、銘柄を1つ2つに絞って短期で売買を行います。ですので短期投資の場合は、個人投資家レベルであれば分散ポートフォリオを意識する必要はあまりないと思います。

銘柄選びのポイント

銘柄選びには、企業の業績や財務状況、株価の推移などを分析する必要があります。キャピタルゲインを狙う以上は株を安く買って、高く売る必要があります。でもその株が今割安なのかがわからなければ買いようがありません。初心者にとってはこれらの分析は簡単ではありません。まず株価が割安なのか割高なのか評価するうえで大事な2つの指標を紹介します。

・PER(Profit Earnings Ratio)
株価/1株あたり純利益、で求めることができます。例えば1株あたり純利益が1万円の銘柄でその株価が1000円であればPERは10倍となります。類似の業種で比較して、純利益が沢山出ている割には株価が安い銘柄は割安といえると思います。このPERはそういった判断をするときに用います。

・PBR (Price Book-Value Ratio)
株価/1株あたり純資産、で求めることができます。例えば1株あたり純資産が1000円の銘柄でその株価が800円であればPBR0.8倍となります。1倍を割っている場合は究極いうと全株式を購入して、その会社が持っている全資産を売却してしまえば利益が出せるということなので、かなり割安という評価になります。とはいえ日本株ではPBRが1倍を割ってる銘柄や業界も散見されます。

これに加えて配当金というインカムゲインを狙う場合であれば、その企業が出している配当金が持続可能なのかを見極める上で配当性向という指標も意識したほうがよいです。

・配当性向
1株あたり配当金/1株あたり純利益、で求めることができます。配当金はもちろん企業が稼いだ利益から出すものになりますので、配当金と純利益が釣り合っているかをみる必要があります。100%を越えてしまっている場合や高水準の場合は、配当金が経営を大きく圧迫していることになるので持続可能ではないという判断をする必要があります。配当性向の高い銘柄に高配当銘柄だからと飛びついてしまうと、すぐに減配(配当金が減ること)となる危険性があります。また配当性向が高い企業は、利益を株主に還元しているとは言えるのですが、企業側からの観点でいうと、利益を将来に投資する先がないという可能性もあるのでキャピタルゲインを狙う場合は要注意です。配当性向が高い企業は成熟企業に多いという特徴もこういった要因があります。

そして何より自分が理解できる業種の株式を選ぶことが大切です。そして自分が興味を持っている業界であれば、企業の業績や将来性について理解しやすく、銘柄選びがしやすくなります。もし小型株などで、自身がそこの経営者のことや従業員のことをよく知っていたりすれば、機関投資家すら出し抜いている可能性もありますので、是非投資を検討してみてください。

また、企業の財務状況を確認することも重要です。というのも株式投資のおいて投資先が破綻した場合は、ほとんどのケースで価値がゼロになるからです。財務諸表や業績発表資料を分析し、企業の健全性や収益性を判断することが必要です。さらに、株価の推移にも注目することが重要です。先ほど紹介したPERや配当性向といった指標は全て1株あたり純利益次第です。来年売上が2倍になるのであればPERは半分になり相当割安となります、通常売上が2倍になるのに株価がまったく反応しないことはなく、株価もつられて2倍を目指す動きとなります。なのであくまで「この先どうなるのか?」という観点を持つことが大事です。

おすすめの投資手法

株式投資には、さまざまな投資手法がありますが、ここでは主要な投資手法をいくつか紹介します。

バリュー投資

バリュー投資とは、割安銘柄に投資しキャピタルゲインを狙う投資手法です。一時的に業績が低迷して株価が割安になっているが、将来業績が回復するだろうという自信があれば、そういった銘柄に投資し、将来株価回復時に売却して利益を出すことができます。バリュー投資であれば成長企業を選ぶ必要はありません。あくまで割安銘柄に投資する手法となります。バリュー投資の特徴としては、既に十分割安となった価格で購入できれば、価格回復の期待値のほうが、更に価格減少となる期待値より高いため、大やけどしにくい投資となります。

グロース投資

グロース投資とは、成長している企業や業種といった銘柄に投資しキャピタルゲインを狙う投資手法です。バリュー投資と違って割安である必要はありません、その企業が急成長するかどうかが投資判断となります。今後急成長が見込まれる銘柄に投資する必要があります。バリュー投資と違って、グロース投資の投資対象は既に割高な価格となっているケースが多く、成長が継続すれば更に大きく価格が上昇する可能性がある一方で、成長が鈍化したと見なされれば割高な分一気に価格を下げる可能性もはらんでいる投資手法となります。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、定期的に買いを入れることで取得単価を平均値に抑える方法です。ドルコストという名称からわかるようにドルの調達コストを平均化するというのが語源となります。例えば1ドル150円のときに1万ドル調達すると必要なコストは150万円です。これを毎月1000ドルずつ10か月かけて調達すると、ある月は1ドル150円、ある月は1ドル135円という形で調達コストを平均化することができます。株式投資においても購入のタイミングを分散することで、高値掴みを避け、取得単価を平均化する目的で使われます。

長期投資と短期投資の違い

自身が長期投資したいのか、短期投資したいのかで戦略は大きく変わります。短期投資であれば複数銘柄に分散してしまうとリターンも平均値となってしまい収益を上げづらくなってしまうので、投資対象銘柄を絞り、かつ売買のタイミングも注意する必要があります。ある企業の次の決算がよいという自信があれば決算発表の前に大量に購入し、決算発表後に価格が上がったところで売却し、利益を出すというような投資戦略が可能です。

一方で長期投資であれば、より価格変動に不確実性が高まるため市場成長の平均リターンを狙って複数銘柄から構成されるポートフォリオを組んだり、ドルコスト平均法を使って定期買付を行い購入単価を切り下げるような戦略もあるでしょう。

日本株投資における注意点

これまで日本株を売買するには単元株といって100株単位でしか売買できないというルールがありました。機関投資家であれば投資規模が大きいのでまったく問題ないのですが資金量に限りのある個人投資家にとっては厄介で、例えば1株1万円という銘柄に投資したい場合は1回の購入で最低100万円が必要になります。こういった銘柄に投資したい場合は相当な資金量がないとドルコスト平均法も使えず、そもそも個人投資家は投資しづらい銘柄となります。最近では証券会社によっては単元未満株という形で、1株単位での売買も認めてきていますのでこういった制度の有無も証券会社選びの際に判断材料としてください。

また株主優待制度も少々厄介な存在となりえます。株主優待制度というのは例えば「ある銘柄を100株以上持っていると年に1回自社商品の詰め合わせを株主優待として株主へプレゼント」といった具合に配当金とは別に商品などの現物で株主に還元する制度となります。これだけ聞くと厄介な印象はありませんが、実は株主優待制度は国内投資家だけが恩恵を受けることができる制度となっており、海外投資家にも投資して欲しいと考えるグローバル企業においては不平等な制度であるため、廃止となる傾向が続いています。

また、100株持っていれば自社商品といった具合に、少ない株数を保有する個人投資家が優遇される制度のため、数万数十万株保有する資金力のある投資家にとっても不平等な制度となってしまいます。

とはいえ株主優待があるから企業の業績が悪くても個人投資家が手放さないことで価格の下落に歯止めがかかるといった効果もあるので、一概に悪い制度とはいえないですし、何より貰う立場となれば嬉しい制度でもあります。しかし株主優待制度の改悪や廃止などが企業から発表となれば、業績に関係なく個人投資家が手放すことで株価が下落することもあり、投資家のスタンスによっては厄介な制度となるので注意が必要です。

まとめ

株式投資は、これが正しいという一つの投資手法や戦略があるわけではなく、短期投資なのか長期投資なのか、どれくらいのリスクとリターンのバランスを目指すのかなどに合わせて自分自身で銘柄選定や投資戦略を練る必要があります。銘柄選びの際には、企業の業績や財務状況、株価の推移などを分析することが重要ですが、初心者の方にとってはこれらが難しい場合もあります。

そこで、自分が理解できる業種の株式を選び、企業の業績や将来性について理解しやすい銘柄を選ぶことが大切です。また、長期投資の場合はポートフォリオを適切に構築することで分散効果を考慮することが大事です。

最後に、株式投資は投資家にとって高いリターンが期待できる一方で、リスクも高い投資です。リスクとリターンは表裏一体です。株価2倍を目指すなら、株価が半分になる可能性も考慮しなければいけません。個別銘柄への投資は初心者にとっては正直ハードルが高いです。

なんとなく買って大やけどしないためにも、本当に詳しい銘柄にだけ投資したり、IFAなどに相談しながら投資することをおススメします。自身で投資判断を行うのであれば、常に自分の投資状況を把握し、投資に必要な情報を収集することも大切です。正しい知識と適切な手法を使い、リターンを狙っていきましょう。

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

IFAとは? IFAを利用するメリットを解説の記事へのリンク
黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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