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2023.7.10

今後はインド株式の時代?インド株式市場の将来性と見通しを解説!

今後はインド株式の時代?インド株式市場の将来性と見通しを解説!
目次
01. 
新興国市場として急成長中のインドについて
矢印
02. 
インド株式と代表的な指数について
矢印
03. 
インド株式指数の成長とインドルピーの値動き
矢印
04. 
インド株式への投資方法
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05. 
今後のインド株式市場の将来性
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06. 
まとめ
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07. 
免責事項
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ボンジョルノ!皆さんこんにちは!

2023年7月4日にインド株の主要指数の1つであるSENSEXが連日の最高値更新!となったとニュースになりました。インド株式市場は新興国株式市場の一つですが、新興国株式市場の中でもインド株が好調であることが、ここ最近話題になっています。

一昔前の中国株のような勢いとなっているのでしょうか?今回は、インド株式市場についてと、今後のインド株式の将来性についてみていきたいと思います。

新興国市場として急成長中のインドについて

人口とGDPの比較表

出典 World Population Dashboard (unfpa.org)  World Economic Outlook (April 2023) – GDP, current prices (imf.org)

国連によると、インド人口ですが2023年に中国を抜き14億2860万人となり現在世界人口ランキング1位となっています。なお、中国の人口は現在14億2570万人となっています。

そしてIMFによると、GDPは現在インドが世界5位となっています。将来的にはインドが日本を抜いてGDPランキング世界3位に昇り出ることも予想されており、まだまだ成長が進みそうな国となっています。

中国についての記事はこちらも是非読んでみてください!

インド株式と代表的な指数について

インドのボンベイ証券取引所(ムンバイ証券取引所)の歴史は古く、1875年から存在しておりアジアで最も歴史のある証券取引所となっています。(ちなみに東京証券取引所の前身である東京株式取引所は1878年に設立されています。)また1994年にインド国立証券取引所も開設されており、この2つの証券取引所がメイン株式市場となっています。ボンベイ証券取引所には2023年5月時点で5,702社上場しています。

日本からインドの個別株に投資するのは現状ほぼ不可能な状態です。とはいえ投資信託等を通じてであれば、インド株式に投資することは可能になっています。

今後インド全体のマーケットが拡大していくのであれば、日本でいう日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に連動する商品を選択して投資することで利益を享受できそうです。それではインドの株式指数にはどういったものがあるのかみていきましょう。

SENSEX

SENSEX指数 1991年1月~2023年7月 推移

ボンベイ証券取引所に上場し、時価総額や流動性などから選定された30銘柄で構成される株価指数です。インド株式において最もメジャーな株価指数といえるでしょう。1986年1月1日より公表されており、1979年4月3日を基準日として当日の時価総額を基準値100としています。

上記グラフは手元にあった1991年1月からのデータをもとに作成しました。1991年1月に1,034をつけてから現在は65,479まで成長しています。1991年7月から2023年7月の32年での年平均成長率を計算すると12.2%となっています。

Nifty50

Nifty50指数 1996年7月~2023年7月 推移

インド国立証券取引所に上場している50銘柄から構成される株価指数です。こちらは1996年4月22日から算出開始されており、1995年11月3日を基準日として基準値を1,000としています。

1996年7月からのデータをもとに、上記グラフを作成しました。1996年7月に1,125をつけてから2023年7月現在は19,405まで成長しています。1996年7月から2023年7月の27年での年平均成長率を計算すると11.1%となっています。

インド株式指数の成長とインドルピーの値動き

SENSEXとNifty50ともに年平均成長率で10%越えとなっており非常に成長が著しいことがわかったかと思います。ただ我々日本人が海外株式市場へ投資を考えた場合に避けて通れないのが為替かと思います。インドではインドルピーが通貨として利用されています。そのためいくら株高になったとしても、もしインドルピーの価値が対円で下がっていては、実際の円ベースでのリターンは小さくなってしまいます。円ルピーの為替推移をみていきましょう。

ルピー/円チャート (2007年7月~2023年7月)

手持ちのデータが2007年7月からとなっており恐縮ですが、この15年でみてもルピーは円に対して下落していることがわかります。

Google Financeで調べると1995年3月の為替情報まで取得することができましたので、前述のNifty50の円ベースのパフォーマンスを計算したいと思います。Nifty50は1996年7月に1,125であり、2023年7月に19,405となっています。これを当時と現在のルピー円為替レートで円換算して年平均成長率を計算すると8.8%となりました。

Nifty50 円ベースでの年平均成長率の計算結果

やはりルピー安もあり円ベースでのパフォーマンスは多少落ちることとなりましたが、それでも年平均成長率8.8%を記録しており十分なパフォーマンスとなっていることがわかりました。

インド株式への投資方法

今後も成長が期待できるインド株式ですが、まだまだ日本から個別株に投資するのは難しい状況です。またインド国内事情に関する情報も、我々日本人にまで入ってくるのにタイムラグがあり、また情報精度の確認もしようがないので、現状では投資信託等を通して株式相場全体などに投資するのが無難な投資方法になるかと思います。まだGDPも拡大傾向にあるため、長期投資のポートフォリオに一部インド株を組み入れるのも一案かと思います。

指数 vs インド関連ファンドパフォーマンス比較

指数とファンドやETFのこの10年でのパフォーマンスを上記に比較してみましたが、正直そこまで大きく大差は出ていない結果となりました。

2013年6月を100として相対的なパフォーマンスを比較していますが、一番良い実績を残したのがファンドEで368まで上昇しています。こちらはアクティブ型ファンドとなっており、SENSEXならびにNifty50をアウトパフォームしています。一方で一番低いのがファンドDで308.92となっており、こちらも同様にアクティブ型のファンドとなっています。

指数 vs インド関連ファンドパフォーマンス比較 相対パフォーマンス表

歴史のあるインド関連の投資信託はアクティブ型が多いのですが最近はパッシブ型(指数連動)の投資信託も出てきていますので、そちらを利用してもよいかもしれません。

ポートフォリオにインド株式を取り入れるにしても、どういった商品を選べばいいか迷われる場合はIFAなどに相談しても良いと思います。新興国株としてインド市場を投資ポートフォリオにスパイスとして取り入れることで、より魅力的なパフォーマンスとなるかもしれません!

今後のインド株式市場の将来性

これまで新興国株式というと中国が一番注目されていましたが、景況感の不透明さや米国との対立などのリスクが意識され、インドやベトナムが新興国株式市場として注目されてきています。ロシアによるウクライナ侵攻において、ロシアに対して資本を投下していた投資家は取引停止や資産凍結により売却することができないなどの事態に陥り、それゆえ一部の投資家は、中国投資についても同様のリスクを恐れるようになってきているようです。冒頭申し上げた通り人口では既に中国を抜いて1位となっており、内需の強さが伴えば、今後も経済発展が見込めます。SENSEX指数も過去最高を更新しており勢いがあるため、今後も引き続きインド株式市場には期待できるのではないでしょうか?

まとめ

今回は注目が集まってきているインド株式についてみてみました。長期的にみて株式市場の成長率は10%以上となっており、非常に魅力的な株式市場であるといえるでしょう。

注意点としては現地通貨インドルピーであるため、為替動向については気を付ける必要があります。インド株式は新興国株扱いとなるため、一般的にハイリスクハイリターンな投資対象と分類されています。短期的には大きく値を下げる局面もあるでしょうが、長期投資することによりリスクリターンが平均化されるため、平均的なハイリターンが得られるようになります。是非ご自身のポートフォリオに加えることも検討してみてください!

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

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黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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