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2023.9.13

iDeCo vs NISA!iDeCoとNISAって何が違うの?どちらが有利か!

iDeCo vs NISA!iDeCoとNISAって何が違うの?どちらが有利か!
目次
01. 
iDeCoとNISAの違い iDeCo vs NISA どちらに軍配が?
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02. 
iDeCoが向いている人
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03. 
NISAが向いている人
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04. 
新NISAが向かないパターン
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05. 
iDeCoと新NISAを使い分けるケース
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06. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さんこんにちは!

皆さまNISAは始めてますでしょうか?先日弊社が出展した資産運用EXPO[大阪]でも、NISA制度の説明会に立ち見のお客様も沢山いらっしゃって大盛況となっていました。来年から新NISAへ制度変更となることもあり、投資に興味のある方々は注目していると思います。

では皆さんNISAとiDeCoの違いや、どちらが有利かご存じでしょうか?今回はiDeCoとNISAの違いを比較しながらみていきたいと思います。

iDeCoとNISAの違い iDeCo vs NISA どちらに軍配が?

iDeCoとNISAどちらがいいのか?…ずばり!といきたいところですが、結論からいうとケースバイケースです。

大前提としてiDeCoは個人型確定拠出「年金制度」という言葉からわかる通り老後資金の形成用に利用する制度となります。魅力的なポイントとして掛金が全額小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、給与などの所得がある方はiDeCoを利用することで所得税・住民税を削減できるという大きなメリットを享受することができます

一方で所得がない方がiDeCoを使う理由は弱いです。所得がない方であればiDeCoよりNISAを選択したほうがよいと言えます。ではNISAとiDeCoの違いを比較表で見ていきましょう。(もうすぐ制度変更となるため現行NISAではなく新NISAで比較していきます。)

iDeCoと新NISAの比較表

iDeCoと新NISAの主な違い

まず理解しておきたいのがiDeCoは個人型確定拠出「年金制度」であり、個人で老後資金を形成するための制度です。そのため原則として60歳以上でないと受け取りができないのが大きな違いとなります。

一方NISAは、非課税で株式や投資信託等が運用できる証券口座という制度です。一般口座や特定口座と違って購入できる製品に制限はありますが、従来の口座とほぼ同様の使い勝手で、売買や資金の引き出しもいつでも可能となっています。このNISA制度は来年2024年より新NISAとなり、かなり使い勝手が向上するため、昨今注目が高まっているのもうなずけます。

細かい注意点は、iDeCoの場合は国民年金基金連合会等への支払い経費が発生します。iDeCoをどの金融機関で行うかにもよりますが、どの機関であっても毎月拠出金の収納の度に少額ながら百数十円の経費が発生してしまう仕組みのため、毎月少額だけをiDeCoに拠出するような方は、拠出額に対しての経費率が高まってしまうので要注意です。管理手数料は毎月発生し、塵も積もれば山となるので、iDeCoの運営業者を選ぶ際は注意しましょう!管理手数料は安ければ安いほど良いです。

iDeCoが向いている人

iDeCoが向いている人

ではiDeCoではなく、NISAがいいのか?と思われる方もいるかと思いますが、iDeCoにはNISAにない大きなメリットとして拠出時点で節税効果がある点があげられます。iDeCoへの掛金は全て小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、年末調整や確定申告のタイミングで所得税の還付を受け取ることができますし、翌年の住民税の支払い額も下げる効果があります

例えば、課税所得が700万円の方であれば所得税税率23%となります。また住民税は10%となります。そのためiDeCoに毎月23,000円拠出した場合は年27.6万円の拠出となり、所得税23%と住民税10%がかからなくなるため合計9.1万円の節税効果があります。毎年9.1万円の節税でも仮に30年行えば273万円の節税となります。

NISAには拠出金への節税効果はないため、所得があり老後の資産形成が目的である場合はiDeCoが向いているといえるでしょう。特に所得が大きい方は所得税の税率が高いため、より節税効果が高まります。なおiDeCoですが、加入年齢条件が65歳未満となっていますので、高齢者の方は活用できない点は注意しましょう。

NISAが向いている人

新NISA制度の概要(金融庁HPより引用)

ではNISAが向いている人はどういう人でしょうか?2024年からのNISAは、大幅に年間投資枠が上げられた点と、非課税保有期間が恒久化されたことで、多くの方にとってかなり使い勝手のよい制度となりました。そのため株式や投資信託での投資を行いたい個人の方であれば万人にオススメできる制度であるといえます。

非課税保有限度額とありますが、簿価残高方式での管理となるため意味合いとしては累計買付額の上限となります。こちらが1,800万円もありますので、多くの世帯での資産運用には十分な枠になっているといえるでしょう。またNISAとiDeCoは併用可能なので可能な方は両制度を活用していくとよいと思います。

新NISAが向かないパターン

新NISAが多くの人にとって魅力的な制度である点はご理解いただけたかと思いますが、新NISAの注意点は、債券は投資対象商品に含まれない点です。ディフェンシブな投資を行いたい方は債券への投資も選択肢としてあがるかと思いますが、NISA口座では個別債券は購入できない点は覚えておきましょう。

また新NISAでかなり上限枠が拡大されたとはいえ1,800万円を超える金額(簿価評価)での運用はNISA口座ではできませんので、こちらも注意です。また新NISAの特徴として「投資枠の再利用」があげられ、売却した場合には買付可能枠が復活するのですが、この枠が実際に復活するのが翌年となるため、一年のうちに買付できる上限は、つみたて投資枠と成長投資枠の合計で360万円となります。ですので短期売買する方はすぐに枠を使い切ってしまう可能性もあるので、NISAでの運用には向かないかもしれません

また損益通算できない点も非常に重要な特徴となります。特定口座や一般口座での運用であれば損失もうまく活用していけますが、NISA口座では損益通算ができないため損失が発生した取引であっても、その損失を活用することができません。また注意点として信用取引はできませんので、この点でも短期トレードにNISAを使うのは不向きです。

iDeCoと新NISAを使い分けるケース

もちろんiDeCoと新NISAは併用可能ですので資金力のある方は両方使っていきましょう。iDeCoは老後資産の形成に最適な制度ですので、インデックス投資を長期積立投資で行っていくのに向いています。ですので老後2,000万円問題に取り組むのであれば60歳以降でこの額に到達するようにゴールを設定してiDeCoを使って積み立てるとよいと思います。

一方で新NISAは短期・中期の運用が可能ですし個別銘柄の購入が可能なので株主優待目当ての株式保有も可能です。なのでiDeCoの毎月の投資上限枠では足りない場合の投資信託の購入に加えて、個別銘柄(日本株や米国株)を購入していくのには新NISA制度を活用するとよいでしょう。

まとめ

今回はiDeCoとNISAを比較しました。今回の記事で何度も申し上げましたが大前提としてiDeCoは60歳まで引き出せないため基本的に老後資産の形成用途となります。給与や事業所得などの所得がある場合で、なおかつ60歳まで引き出さないのであればiDeCoをうまく活用することで毎月拠出するだけで節税効果を享受しながら、資産形成が可能です。

一方で株式や投資信託を中長期的に保有していく投資スタイルであれば、多くの方にとって新NISAがピッタリです。併用も可能なので、資金力のある方や投資マインド旺盛の方は両制度をフル活用して、iDeCoで長期投資を行い、新NISAで株式や投資信託での中長期投資を行い、さらに特定口座で債券投資や、短期投資を行っていくというのが良いと思います。

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

iDeCoや新NISA制度についての記事はこちらも参考に!

こちらの記事も要チェック!DCはいいですよ!

黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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