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2023.11.28

海外駐在員の本帰国準備!外貨をどう日本に持ち帰るか?

海外駐在員の本帰国準備!外貨をどう日本に持ち帰るか?
目次
01. 
外貨持ち出し方法、持ち込み方法について
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02. 
ハンドキャリー。シンプル・ザ・ベストな外貨持ち出し方法だけど危険?
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03. 
外貨持ち出し規制、外貨持ち込み規制
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04. 
両替にかかる手数料!為替レートは大事です。
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05. 
海外送金・外貨送金による外貨の持ち込み・持ち出し
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06. 
外貨送金時にはマイナンバーが必要!?
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07. 
送金通貨の選択方法
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08. 
第三の方法!WISEを使う
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09. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さん、こんにちは!

コロナ禍も明けてきまして、海外との行き来もだいぶ自由にできるようになってきました。新規の海外赴任や、逆に日本への帰国辞令もだいぶ復活してきたのではないでしょうか?本帰国となる駐在員の方であれば、これまで稼いだ外貨もそれなりにあるかと思います。

今回は私の経験も踏まえた、本帰国に伴う外貨の日本への引き揚げ方を解説させて頂きたいと思います。

外貨持ち出し方法、持ち込み方法について

駐在員や現地採用の方など日本国外の法人勤務の場合は、外貨で給与を受け取っているかと思います。その場合でも現地で生活し続ける限りは通常問題はないのですが、本帰国となった場合はこれまでの貯金を持ち帰る必要が出てきます。

私もこれまで何か国かで働いてきた経験があり、毎回この問題にぶつかってきました。米ドルやユーロであればまだ外貨のまま持っていても別の国や海外旅行などで活用できるかもしれませんが、それ以外のマイナー通貨の場合は一旦日本円や次の赴任先の通貨に両替する必要が出てくるかと思います。

海外在住期間が長かった場合は、それなりの額の外貨を保有している場合もあるでしょう。両替や外貨の持ち出し、持ち込みに関して悩みは尽きないと思います。まずは持ち出しと持ち込み方法について解説していきたいと思います。

ハンドキャリー。シンプル・ザ・ベストな外貨持ち出し方法だけど危険?

ハンドキャリーのイメージ

一番簡単な方法がハンドキャリーです。日本円もしくは外貨を現金つまりキャッシュの状態で鞄に入れて持ち込む、もしくは持ち出す方法となります。

メリットはシンプルで簡単なことですが、デメリットは盗難や紛失の危険が伴うということです。万が一、荷物を盗まれたりでもしたら大金を失う可能性があります。そのため大量の資金をハンドキャリーで運ぶのはオススメできません。

とはいえ赴任先がまた違う別の国の場合は、赴任先の銀行口座もまだない訳で、一か月二か月分の現金を持ち込む必要があるケースもあるかと思います。ハンドキャリーで運ぶ場合には以下の点に注意してください。

外貨持ち出し規制、外貨持ち込み規制

現金等の持ち出し・持ち込み規制の例

参考サイト:日本税関シンガポールICAタイ大使館(ロンドン)

上記情報は日本、シンガポール、タイの入出国に伴う現金の持ち出し・持ち込み規制についてまとめたものです。共通して一定額以上の持ち出し・持ち込みについては申告を義務付けています。これらの規制についてはきちんと守るようにしましょう。

なお見て頂ければわかると思いますが、決して規定額以上の持ち出し・持ち込みを禁止している訳ではなく、申告が必要であるというだけです。ですので、規定額以上の額を持ち出す、持ち込む場合は申告を怠らないように注意しましょう。万が一申告せずに持ち込んだり持ち出したりした場合は没収、刑事罰など国によって様々な罰則があるので本当に注意です

日本帰国時に100万円以上を持ち込む場合はどうするの?

支払手段等の携帯輸出・輸入申告書

本帰国などで日本に帰国する際に、100万円を超える現金を所持している場合はどうしたらいいのでしょうか?周りの人に聞いたりしても「バレないようにすればいい」、「自分は一度も指摘されたことがないから大丈夫じゃない?」など無責任なことを言われたりするケースも多いのではないでしょうか?

そんな悪魔の誘惑は無視して、きちんと申告するようにしましょう!申告すればいいだけですので、帰国時に税関で一枚の申告書を提出するだけで済みます。ずばり「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を書きましょう。上記イラストにあるように非常にシンプルなフォームで、なおかつ空港で入手可能ですので、入国審査後の税関通過前に記入して税関職員からスタンプをもらうようにしましょう。

またスタンプをもらったこちらの申告書は廃棄せずに、帰国後もずっと保管したほうが良いです。万が一帰国後に数年経ってから税務調査等が入った場合にも、海外駐在中に働いて稼いだお金を現金で持ち込んだという記録にもなりますので、非常に大切な書類となります。この一枚のフォームを記入して申告するだけですので必ず忘れずに申告しましょう!

支払手段等の携帯輸出・輸入申告書は日本の税関のHPからもダウンロード可能です。7305 現金等の持出し(持込み)(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Customs

両替にかかる手数料!為替レートは大事です。

為替レートの見方

両替ですが通常2つの為替レートが存在します。それは現金での両替と、銀行間振込(電信)での両替にかかる為替レートです。通常は銀行間振込のほうが為替レートは有利となります。

No Commissionなど書かれている両替所などの場合は通常手数料はかかりませんが、実質的な手数料は売りと買いのレートの差(スプレッド)となります。通常マイナー通貨になるほどスプレッドが大きくなります。

また現金での両替は、両替所や銀行も実際の紙幣を用意しておかなければならないのでスプレッドが大きくなる、つまり手数料は高くなる傾向にあります。タイやシンガポールなど現金での両替需要が非常に大きい国では、銀行より両替所での現金での両替のほうがレートは良かったりと、国や地域によって差異がありますのでお住いの国の状況は調べておきましょう

なお日本国内に外貨のまま持ち込んで円に両替するのは、米ドルやユーロ以外はあまりオススメできません。多くのケースでは現地で日本円に両替したほうがレートは有利になるかと思います。現金での両替の場合のスプレッドがあまりにも大きい場合は、後述の銀行間振込を検討しましょう。

海外送金・外貨送金による外貨の持ち込み・持ち出し

外貨送金のイメージ

さすがに大量の資金をハンドキャリーで運ぶのは心配という方がほとんどかと思います。その場合は銀行間での外貨送金がオススメです。特に日本へ本帰国の場合は日本に銀行口座が既にあると思いますので、送金元の国の銀行口座と、送金先の国(日本)の銀行口座の両者が存在しないといけないという銀行送金の前提をクリアできますので検討頂きたい方法です。

銀行だと記録が残るからと言う人にお会いしたこともありましたが、駐在員の場合はまっとうに現地で所得税等を支払って得た対価ですので、何も臆することなく海外送金して問題ないお金ですし、送金履歴が残っていた方が、将来万が一税務調査が入った場合でも現地から送金した証拠になるためメリットも大きいです。

為替レートについても一部の国や通貨を除けば、銀行送金のほうが優遇されたレートであることが多いです。銀行での外貨送金の際には以下のポイントに注意しましょう。

外貨送金時にはマイナンバーが必要!?

日本への送金での注意点がマイナンバーです。もしマイナンバー制度施行前に国外に出てしまった以前の私のような駐在員の場合は、日本の銀行口座とマイナンバーが紐づいておらず、日本への送金の際に支障がでる可能性があります。

必ず送金先となる日本の銀行に問合せて、マイナンバーの必要性や送金時の注意点は確認しておくようにしましょう。私のケースでは海外から日本へ送金する際に、事前に電話で日本の銀行側と交渉しておいたので問題なく送金できました。

一方で私の知人は日本の銀行に送金する際に、事前に確認せずに海外から送金した結果、マイナンバーが登録されていないということで着金拒否になってしまい、後日送金失敗となってしまったとのことでした。送金失敗でもお金が行方不明になることはなく戻ってはきたようですが、こうしたトラブルを避けるためにも必ず事前に銀行側に問合せすることをオススメいたします。

また銀行によっては着金時に手数料を課す場合もありますので、その点も事前にマイナンバーの件で連絡する際に合わせて確認しておくことをオススメします。

送金通貨の選択方法

日本への海外送金のイメージ

海外の銀行口座から日本の銀行口座へ振込を行う場合に注意すべきなのが、送金に使う通貨の選択です

たとえば私が以前いた台湾(台湾ドル)から日本へ送金するとなると、台湾側で日本円に両替して日本円建てで送金することもできれば、台湾側で米ドルに両替して米ドル建てで送金することなどを選択することができます。また、日本の銀行側がどの通貨で入金できるかを確認することも重要です。日本円で送金すればいいだろうと思いがちですが、日本の銀行によっては海外からの日本円での振り込みに何故か対応していないところもあります。

またマルチカレンシー口座とかでなければ、米ドルで着金した場合は日本側の銀行の為替レートで日本円に両替されてから入金されます。その際に思った以上に為替レートの条件が悪い可能性もあるので十分に注意です。私が台湾から送金した時には、台湾側で日本円に両替してから、円建てで送金しておりました。これが一番レートと手数料を考慮した際に効率的だったからです。とはいえベストな送金方法は国や銀行によって変わってくると思いますので、十分に検証してから海外送金を行うことをオススメいたします

第三の方法!WISEを使う

以前はTransferWiseというサービスでしたが、現在Wiseというサービスで展開されている送金サービスも非常に便利です。こちらを使うと手数料を格安に海外送金が可能となります。対応している国は限られますが、もし自身のお住いの国がWiseのサービス対象国の場合は是非利用を検討してみるとよいかと思います。

私がいたタイや台湾からの日本への送金には、このWiseは対応しておらず利用できなかったのですが、シンガポールからはWiseを使って送金することができました。

なおWiseの手数料が格安な理由の一つが仕組みとしては国内送金を使うことになるのですが、この仕組み故に日本側の銀行口座にマイナンバーが紐づいてなくても問題なく送金できるのが、当時の私にとって最大の魅力でした。レートよし、手数料よし、マイナンバーなしで送金OKとのことで非常に便利でした。なお日本から送金の際にもWiseを使うことができます。日本から送金する場合のほうが対象国は多いようで、タイの銀行にも送金可能でした。

WISEはこちらから登録可能です。こちらのリンクを利用すると最大GBP500の送金手数料が無料になります!

まとめ

今回は海外駐在員や現地勤務の方々向けに、本帰国の際の外貨の持ち出し方法について解説してきました。この他にも仮想通貨を使うなどの方法も可能だとは思いますが、仮想通貨の場合は値段の上下が激しく(ボラティリティが高い)為替レートも読めないですし、税制上の計算も複雑になってしまいますのであまりオススメはできません。

海外駐在員や現地勤務の方であれば、現地でしっかり所得税等を支払って得た労働の対価ですので、きちんと送金や両替や持ち込みの履歴が残る方法で日本へ持ち帰ることをオススメします。

仮想通貨で持ってきてしまった場合は、税務調査が入った場合に仮想通貨で得た利益なのか判断が付きづらく税務調査の対象になってしまう場合もありますので、銀行振り込みや少額のハンドキャリーを使ったオーソドックスな手段で持ち帰るほうが無難です。

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

ポンデアのマスコットキャラクター

外貨の持ち出し方法は振込がなんだかんだオススメです!ハンドキャリーは少額までにしましょう。

黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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