ボンジョルノ!皆さんこんにちは!
金融教育というと、2022年から高校で義務化されたというニュースで皆さんもよく耳にする言葉になったのではないかと思います。
この背景としては、成人年齢の引き下げや「貯蓄から投資へ」といった政府の方針、または日本の金融リテラシー(金融や経済に関する知識や判断力)が諸外国と比べて低いと言われていることなどが挙げられると思います。こうした取り組みにより、早い段階で金融リテラシーを身につけられる機会を得られるというのは非常に良いことだと筆者は考えていますので、ぜひ効果が出てほしいものです。
では一方で、すでに社会人として働いている人たちに関してはどうでしょうか?金融広報中央委員会が2022年に実施した金融リテラシー調査によると、金融教育を受けたことがあると回答した人の割合は7.1%という結果にとどまっています。老後2000万円問題を始めとして、年金や預金だけでは十分な暮らしをしていけないのではという不安はあるものの、どうすればよいのかわからないという人はまだまだ多くいると思います。最近は投資に関する書籍やYouTubeの動画なども増えてきていますが、同時に金融トラブルが増えているのも事実だと思います。これはやはり金融リテラシーが十分でないことが理由の1つだと考えます。こういった状況を踏まえると社会人のみなさまにも金融教育が必要なのではないでしょうか。
本記事では社会人が受けるべき金融教育の内容についてご説明していきたいと思います。
金融教育とは?
まずは一般的に金融教育とはどのようなものなのかみていきたいと思います。先の金融広報中央委員会では金融教育を以下のように定義されています。
金融教育とは、お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きつつ、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて主体的に行動できる態度を養う教育のこと
金融広報中央委員会 知るぽると「1.金融教育のねらいと基本的性格(1)金融教育とは?」
非常に広い意味を含んでいるように見えますが、一口に金融教育と言ってもそこには色々な視点が含まれています。特に、金融経済教育推進会議で示された金融リテラシー・マップでは「生活スキルとして最低限身につけるべき金融リテラシー」として、以下の4分野について年齢別にガイドを示しています。
1.家計管理
2.生活設計
3.金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
4.外部の知見の適切な活用
今回はそれぞれの分野ごとのガイドについて解説をしていきたいと思います。
20代~30代に必要な金融教育
家計管理
まず重要なことは日々の収支管理ができるようになることです。そのうえで趣味や自己の能力向上のための支出を計画的に行えるようにすることが重要とされています。
生活設計
今後のキャリアプランと共にライフプランを考えることが必要となります。そしてそのライフプランの実現のためにはどれくらいお金が必要となるかを考え、計画的に貯蓄、資産運用を行えるようになることが重要とされています。
金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
この分野では資産運用に関してだけではなく、保険商品やローン・クレジットといった幅広い観点での知識が必要とされています。まずは契約に際して悪質な詐欺等トラブルに巻き込まれないように慎重に契約をする姿勢を身につけることが重要です。基本的な金融知識としては各金融商品の特性やリスクの管理方法、リスクとリターンの関係性を踏まえて自身の求めるリターンと許容できるリスクを把握したり、長期投資・分散投資のメリットや複利効果の重要性を理解することが必要とされます。また景気の動向・金利の動きなどの経済情勢が金融商品にどのように影響するのかなどの知識も身につけておきたいところです。
保険商品については、怪我や事故などの備えるべきリスクとリスクが発生した際に必要となるであろう金額を把握し、自分の現在の状況(家族構成や収入)を踏まえて適切な保険商品を検討・選択できるようにしておかなければなりません。
ローンに関しては主に住宅ローンについて、その特徴を理解し、ライフプランとのバランスを考慮したローン借り入れを検討できるようになっておくことが必要です。
クレジットカードの利用に関しては、自身の支払い能力を把握したうえで、分割払いやリボルビング払い(リボ払い)のデメリットをきちんと理解し、また返済が滞ってしまった場合の影響なども把握しておかなければなりません。
外部の知見の適切な活用
これは資産運用をしていくにあたって、最終的な投資判断とその責任は自分自身にあるということを理解したうえで、外部から得られる情報に対する判断力を養うことです。中立的な立場でのアドバイスや情報を提供してくれる専門家や情報源を把握しておくことが重要とされています。
30代~50代に必要な金融教育
家計管理
この年代では、配偶者や子を養っていると仮定し家族を含めた家計を支える立場での収支管理が必要になってきます。それに加えて資産や負債についても把握し、必要に応じて収支および 資産負債のバランスを改善していくことが求められます。
生活設計
20代~30代の頃からの環境の変化等を踏まえて、 ライフプランや資金計画の見直しを行いながら、自分の老後を見据えたライフプランの実現に向けて貯蓄、資産運用に取り組んでいく必要があります。また、子どもの金融教育に取り組むことも推奨されます。
金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
基本的には20代~30代で求められることと同様となりますが、投資については定期的な見直しの必要性について理解しておくことや、高齢者になってからの資産管理(退職金の扱いや年金について)の知識を習得しておく必要があります。
外部の知見の適切な活用
20代~30代と同様、資産運用をしていくにあたって、最終的な投資判断とその責任は自分自身にあるということを理解したうえで、外部から得られる情報に対する判断力を養うことです。中立的な立場でのアドバイスや情報を提供してくれる専門家や情報源を把握しておくことが重要とされています。
60代~70代以降に必要な金融教育
家計管理
退職に伴い収入形態が大きく変わる時期であるため、事前に収支計画を立てて収支を管理しておく必要があります。また、病気や怪我・介護など突発的な支出の機会も増えがちなため、必要に応じてすぐに改善していける状態にしておかなければなりません。
生活設計
退職後のライフプランについて、セカンドライフをどのように過ごすのか、家族や社会への貢献にも配慮した見直しを行う必要があります。年金受取や資産の取り崩しによる収入であっても安心・安定した生活を過ごせるような堅実さが求められます。
金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択
これまでの知識の必要性はもちろんですが、自身の年齢やライフスタイルを踏まえて、求めるリターンおよび許容できるリスクを再定義できるようしておく必要があります。退職金を一時金で受け取る場合など一時的に大きな金額が手元に入ってくることも想定されますが、過度なリターンを求めるあまり、悪質な金融商品に手を出さないようにするための予防知識も身につけておかなければなりません。
また、保険等についても既にお子様も独立されていたりする高齢期における加入の必要性や有効性を判断できるように知識をつけておく必要があります。
外部の知見の適切な活用
基本的な姿勢はこれまでと同様ではありますが、これまでとは状況の変化が大きいことからも、より顧客の立場を優先してかつ中立的な立場でのアドバイスや情報を提供してくれる専門家や情報源を把握しておくことが重要とされています。
まとめ
今回は社会人の金融教育の必要性についてご紹介させていただきました。
今後のライフイベントや老後の暮らしへの備えといった将来への不安をなくすことで無用な金融トラブルに巻き込まれるようなこともなく、活き活きとした人生を送ることができるのではないでしょうか。
次回は弊社が提供する金融教育についてご紹介していきたいと思います。
それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!