ボンジョルノ!皆さんこんにちは!
今回はデジタルクーポンについて取り上げてみたいと思います。通常の債券と違い仕組債は、デリバティブが組み込まれているため株価や為替レートの条件によって利回りが変わってきます。仕組債の利回りの部分や早期償還について解説していきたいと思います!
デジタルクーポンとは?
仕組債におけるデジタルクーポンとは、株価や為替など連動している対象の値が事前に決めた判定レート以上か以下で利率が変わる「変動利率」のことを指します。クーポンは債券における利金のことを指しますので、この利金が条件によって2種類以上あるという意味でとらえておけばよいかと思います。デジタルクーポン債やデジタルクーポン型の仕組債という名称で使われることもありますので、こちらを解説していきたいと思います。
デジタルクーポン債、デジタルクーポン型の仕組債って何?
デジタルクーポン債、デジタルクーポン型の仕組債、EB債はどれも同じ仕組債を指します。販売会社によって色々な用語を使ったりしますので、投資家の皆様は困惑しないように注意しましょう。
デジタルクーポン債の仕組みですが、株価や為替や指数(日経平均やS&P500)の値が基準値を上回るか、下回るかで利金(クーポン)の額が変わります。
例えば日経平均連動型であれば、判定日に日経平均の値が判定基準を上回っていれば年率6%のクーポン支払い、下回った場合は0.1%のクーポン支払いというように支払われるクーポンの金額が値動きによって変わりますので投資家の方は注意が必要です。他にも注意すべき点がいくつかあるので解説していきます。
EB債と仕組債の違い
前述のとおりデジタルクーポン債、デジタルクーポン型の仕組債、EB債はどれも同じ仕組債を指します。上記イラストにある通り仕組債には様々な種類があります。EB債は仕組債の1種類という理解で問題ありません。今回の記事ではEB債をデジタルクーポン債という名称で紹介しております。なお様々な仕組債の種類については以下の記事で詳しく解説していますので一読いただけると幸いです。
デジタルクーポン債の注意点
上記イラストのようにデジタルクーポン債、デジタルクーポン型の仕組債、EB債には満期償還日前にいくつもの早期償還判定日が存在します。
イラストは他社株転換可能債券(EB債)のイメージとなっており特定株式銘柄の株価に連動し、場合によっては株式で償還される仕組債のものとなっていますが、基本的にデジタルクーポン債、デジタルクーポン型の仕組債、EB債などと呼ばれるタイプの仕組債のパフォーマンスはどれも似たものになっています。
抑えておくべき注意点は、利率は一定ではなく、連動する株価や指数の動きによって2パターン存在するということです。また早期償還条項に合致すれば、満期前に額面で償還される点も必ず抑えておいてください。
仕組債の利息はいくら?デジタルクーポン債の利率決定のイメージ
デジタルクーポン債の利率ですが、判定日における参照銘柄の株価などが判定水準を超えるか否かで判定されます。基本的に判定水準を超えていた場合は多くの利金を受け取ることができ、判定水準を下回った場合はほとんど利金が発生しないことになります。
例えば利率が年率20%と0.1%のデジタルクーポン債があるとします。利率決定日が年に数回設定されており、満期もしくは早期償還事項に該当するまで毎回利率は参照銘柄の株価で判定されることになります。
このデジタルクーポン債に1億円投資していたとします。年に4回判定日があるとすると、判定水準以上の場合は年率20%の1/4である5%分の500万円を受け取ることができます。一方で判定水準以下の場合は年率0.1%の1/4である0.025%分の2万5000円のみを受け取ることになります。このように参照銘柄の動きで実際に受け取ることができる利金の金額が大きく変わるのがデジタルクーポンの特徴です。
なぜ早期償還をするのか?早期償還判定のイメージ
早期償還とは、デジタルクーポン債の参照銘柄の株価などが早期償還判定水準以上となっており、満期前に償還されることを意味します。
早期償還判定された場合は、設定期間に関わらず額面100%で償還されることになります。先ほどの例の1億円のデジタルクーポン債ですが、今度は早期償還判断のイメージとなります。利率判定のときと同じように判定日の参照銘柄の株価で判断されますが、もしその値が早期償還判定水準以上であれば早期償還され額面の1億円で償還されます。
一方で判定水準に満たない場合は継続となります。これをノックアウトと呼ぶこともありますので覚えておくとよいでしょう。
早期償還のメリットとデメリット
早期償還ですが、これはメリットともデメリットともとることができます。早期償還判定日のタイミングで、判定水準を参照株価が上回る場合は額面100%で早期償還されます。投資家のメリットとしては満期償還前に投資元本が回収できることです。想定より早く償還されることで償還金を更に別の投資をすることが可能となります。
デメリットとしては、満期償還までクーポン(利金)を受け取ることはできなくなってしまうので、もともと高利回りでの仕組債保有を目的としている場合は想定期間より短いクーポン受取期間となるのがデメリットといえるでしょう。
投資家としてはまず早期償還の要件がどうなっているかを投資判断前に必ず抑えておく必要があります。特に株価連動型の商品であれば、株式で償還される可能性があることを理解しておく必要がありますし、どういった条件のもとどの銘柄で償還されるかなど抑えておくのは必須事項となります。
EB債がノックインしたらどうなる?ノックインのイメージ
ノックインとはデジタルクーポン債の観察期間中に一度でもノックイン判定水準を下回ることを意味します。多くの場合でノックイン判定がなされた場合は、早期償還された場合を除いて最終評価日に参照銘柄の株価などが当初価格を上回らない場合は株式交付となります。
例えば償還額算出時に1株1000円であった株式が、最終判定日のタイミングで500円になりノックインに該当していた場合は額面の半分の価値しかない株式で還ってくるケースもあり、組成時の条件にはよりますが、いずれにせよノックイン発生時には大きく元本毀損してしまうこととなります。
ちなみにもし最終判定日に1株1100円となっていた場合でも値上がり益は受け取ることはできず、額面通りで償還される点も注意が必要です。
まとめ
今回はデジタルクーポン、デジタルクーポン債について取り上げてみました。デジタルクーポン債はEB債やデジタルクーポン型の仕組債と呼ばれることもありますが同じものと認識して問題ありません。とはいえ仕組債は中に複雑なデリバティブを内包しているため、様々な条件で組成することができるので商品ごとにしっかり中身を見極める必要があります。
今回は取り上げませんでしたが、逆に判定水準を下回った場合に高利回りとなり、判定水準を上回ると低利回りになるパターンでも組成ができますので、一概に説明することが難しいのが仕組債となります。きちんと商品性を理解してから投資判断するように気をつけましょう。
それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!
↓仕組債についての記事はこれらも要チェックです!