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2023.4.25

ヘッジファンドって私募ファンド?公募と私募の違いや特徴をわかりやすく解説

ヘッジファンドって私募ファンド?公募と私募の違いや特徴をわかりやすく解説
目次
01. 
私募ファンド(私募投資信託)ってなに?
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02. 
ヘッジファンドは私募ファンド?
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03. 
私募 vs 公募 メリットとデメリット
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04. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さん、こんにちは!

今回はちょっとマニアックな内容になりますが、「公募」と「私募」の違いについて説明していきたいと思います。皆さん「公募」「私募」の違いはご存じでしょうか?そもそも「私募」という言葉ですが普段の生活では使わないと思います。

あまり聞きなれないかもしれませんが辞書には「債券募集の一形態。特定少数の投資家を相手として募集すること」(大辞林より)とあります。一方で対義語となる「公募」という言葉は投資以外でも使うケースもある言葉なので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?なお投資文脈では「債券発行に際し、不特定多数の投資家を対象に広く募集すること。一般募集。」(大辞林より)とあります。

言葉からわかる通り「公募」と違い、「私募」は特定少数の投資家を相手にするものであるため、私募の商材の話は個人の一般投資家まで届くことは稀です。余談ですが辞書には「債券募集や債券発行」とありますが、私募ファンドに代表されるように、実際のところ投資対象は債券に限定されず、ヘッジファンド含めもっと幅広く私募や公募という言葉は使われています。私募ファンドは、言葉の通りクローズに募集されるため、一般の投資家にはあまり知られていない投資先で、富裕層やプロ投資家が利用しているケースが多いです。ネットで調べてもほとんど情報は出てこないことが多いでしょう。

今回はこの私募と公募の違いを深くみていきましょう!

ヘッジファンドについて詳しくはこちらの記事もご参考に♪

「ヘッジファンドとは?手数料体系やリスク・リターンについて」記事へのリンク

私募ファンド(私募投資信託)ってなに?

「私募〇〇」としてまず一例を上げると私募ファンド(私募投信・私募投資信託)があります。よく個人投資家の方が目にしたり話を聞いたりする投資信託は「公募投信」となります。では投資信託の公募と私募の違いは何かをみていきましょう。

公募投信と私募投信の比較表

私募のうち一般投資家も対象になるのは「一般投資家私募」となります。こちらの場合は、49名までの少人数の投資家を相手とするため、募集する側も厳格に50名を越えない範囲で、誰に勧誘したかもきちんと把握しないといけないわけです。まさに正真正銘の「ここだけの話」であり「あなただけへの話」といった感じになります。

一方で、皆様が通常目にするのは公募投信です。というのもネットに載せたり、店頭やパンフレットで募集するような商品は不特定多数からの申し込み勧誘を募っているわけです。こういう違いから、私募投信の情報は日常生活の中で得るということはまずないため、馴染みのない商品となるわけです。

ではどうして公募と私募があるのかというと、発行する側からすると私募のほうがハードルが低いという状況があります。それほどまとまった額を集める必要がなければあえて公募である必要もなく、私募で募集を済ませるケースが多いです。また発行コストや管理コストという面では公募と違って広く広告を出したり営業をかけてもらう必要もないので、私募のほうが有利となるケースもあり、投資家のリターンという観点では私募のほうが良いという可能性もあります。

ヘッジファンドは私募ファンド?

よく皆さんがお聞きする言葉で「ヘッジファンド」という言葉があると思います。とはいえ「ヘッジファンド」ってよく聞くけどどうやって投資するの?という感じで周りにも実際にヘッジファンドに投資している人は多くないと思います。それもそのはず、そもそも簡単にヘッジファンドには投資できません。それは何故か?そう、ヘッジファンドも基本的に「私募」で設定されているからです。

では何故ヘッジファンドは「私募」なのでしょうか?理由としては色々ありますが「公募」にしてしまうと情報開示の必要性があり、保有銘柄などを公表しなければなりません。そうなるとヘッジファンドのファンドマネージャーは買いや売りを仕掛けることが難しくなりますよね。また運用における制限も私募のほうが少ないという点もあります。また規模が大きくなりすぎると大量の売買が必要となり結果運用しづらいという側面もあるので、ヘッジファンドは基本的に「私募ファンド」となっています。

私募 vs 公募 メリットとデメリット

さて、それでは私募と公募のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。知っておいて損はないと思います。

まず、投資経験の浅い方々は「公募」の商品だけで始めてみましょう。「公募」であればネット上でも情報があるのと目論見書などの資料も充実しているので何に投資をしているのか、どういったリスクがあるのかを理解しやすくなっています。我々が普段目にする公募の投資信託だけでも、株式・債券・不動産・コモディティなど様々なものへの投資が可能です。

慣れないうちにいきなり「私募」に手を出す必要はないですし、そもそもその「私募」商材を持ってきた人は十分信用できますか?私募ファンドは一般の投資家には公開されていない情報が多く、そのリスクも高くなることがあります。「私募」は情報が出回っていないため、より慎重にこのようなリスクを回避するためには、適切な情報収集やプロのアドバイスが重要です。

とはいえ私募ファンドがまったくメリットがない訳ではありません。あなたが数億円くらいの運用規模があれば、一部をヘッジファンドに投資して、相場の下げでも資産を守る運用ポートフォリオを築くのは理にかなっています。またファンドを通じてワインやウィスキーへの投資を検討するとどうしても私募ファンドという選択肢もあるでしょう。投資先や運用方針が自由なのも私募の特徴です。

私募のメリット

・さまざまな投資分野にアクセスできます。株式・債券・不動産はもちろんインフラ、新興企業、またはエネルギー、はたまたワインやウィスキーなどの現物など、幅広い投資分野に投資できるため、多様なリターンを期待できます。

・ヘッジファンドに代表されるように、絶対収益型といって相場の上げ下げに関わらずどういう市場状況でも収益をあげることを目標にしていたり、より特徴のある運用方針をもつファンドマネージャーに運用を任せることができます。

私募のデメリット

・最低投資金額が高い。ヘッジファンドであれば億単位の最低投資額が必要でしょう。また毎年かかる運用報酬に加えて、成功報酬などが設定されている場合は運用益をまるまる投資家が享受できるわけではないケースもありますので、投資前によく確認しましょう。

・情報がクローズ。公募と違い情報開示があまりないので、何に現状投資しているかがわかりづらいという欠点もあります。とはいえ運用側目線でいうと運用方針や保有銘柄を明かす必要がないので、持ち球を隠しながら市場で戦えるメリットがあるため、情報開示がないことがパフォーマンスに対してポジティブに働くケースもあります。

まとめ

今回の記事では、私募・公募の比較を解説しました。国内においては一般投資家向けの私募ファンドは、49名以下の投資家だけを対象に募集しているというところが大きな違いです。それにより情報の開示格差やそもそも話が自分のところまで来るか来ないかという違いが生じます。

ヘッジファンドに代表されるように私募ファンドの中には相場の環境に関わらず高いリターンが期待できることや、相場の世界で有名なプロの投資チームが運用していることなどが特徴です。一方で、最低投資金額が高めであったりと一般の個人投資家には手が出しにくい側面もあります。

まずは公募の商材のみで運用を始めて、億単位の運用規模となったら初めてヘッジファンドといった私募ファンドの検討を開始すればよいと思います。私募ファンドに投資する際は必ず信頼できる会社を通じて投資することをオススメします。ヘッジファンドなどへの投資を検討している場合は是非IFAに相談してみてください。

直接私募ファンドへ投資するにしても、セカンドオピニオンとしてヘッジファンドなどの相談も可能なIFAに意見をもらうことは決して損にならないと思いますよ。

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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