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2023.6.20

バリュー投資って一体何?評価ポイントやテクニックについて

バリュー投資って一体何?評価ポイントやテクニックについて
目次
01. 
バリュー投資とは?
矢印
02. 
企業の価値と株価の関係
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03. 
ベンジャミン・グレアムが説くバリュー株の探し方
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04. 
バリュー投資 vs グロース投資
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05. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さん、こんにちは!

2023年半ばに入ってからというもの日本株の上昇が著しいですね。バフェット効果など巷では言われていますが、バークシャーハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏の来日や、日本株に対してポジティブな発言をしていることも材料視されてこの株高に繋がっているなどという意見もあります。ウォーレン・バフェット氏も以前から日本の商社株に投資しており、更に買い増しの発言をしたこともあり、2023年に入って商社株は急激に上昇しています。

ちなみに、ウォーレン・バフェット氏といえばバリュー投資家として一般的には知られています。では、そもそもバリュー投資ってなに?という点を今回解説していきたいと思います。

バリュー投資とは?

バリュー投資とは平たく言うと「お買い得な株に投資する」という意味です。つまり投資対象となる企業の「本来の価値」と「株価」の関係に着目して、「株価」が「本来の価値」より割安となっている企業の株式に投資するということになります。なおグロース投資という言葉もありますが、こちらは「企業の成長」が判断基準となります。急成長を遂げる企業の株価は「将来の利益」を多く織り込んでおり、不透明かつ割高で評価されていることがほとんどです。バリュー株への投資においては通常こういった銘柄は投資対象とはなりません。

では企業の価値と株価の関係などはどう判断するのでしょうか?

企業の価値と株価の関係

企業の価値に対する評価は絶えず変わっていきます。それは企業の収益は、企業努力はもちろん市場環境や原材料価格の遷移に伴い、日々変動するからです。そして評価が常に変わるため株価も変わっていくことになります。まったく売買が行われない株式でもない限り、株式市場が開いている限りは常に株価は動きます。そして株式というものは往々にして過剰に評価されます。つまり企業の本来の価値以上に高く評価されたり、本来の価値より低く評価されたりすることが多いです。バリュー投資においては、本来の価値より低く評価されている銘柄への投資が基本となります。では、どのような評価で企業の本来の価値より、株価が高く評価されているか、低く評価されているかを判断するのでしょうか?

株価の割安・割高を測る方法はたくさんあります。非常にシンプルなもので以下のものがあります。

・PER(Profit Earnings Ratio)

株価/1株あたり純利益、で求めることができます。例えば1株あたり純利益が1万円の銘柄でその株価が1000円であればPERは10倍となります。類似の業種で比較して、純利益が沢山出ている割には株価が安い銘柄は割安といえると思います。このPERはそういった判断をするときに用います。

・PBR (Price Book-Value Ratio)

株価/1株あたり純資産、で求めることができます。例えば1株あたり純資産が1000円の銘柄でその株価が800円であればPBR0.8倍となります。1倍を割っている場合は究極いうと全株式を購入して、その会社が持っている全資産を売却してしまえば利益が出せるということなので、かなり割安という評価になります。とはいえ日本株ではPBRが1倍を割っている銘柄や業界も散見されます。

PERについてですが、これは株価が1株あたり純利益(通常1年分)に対して何倍になっているかを表しています。この倍率が高ければ高いほど割高となっているとみなすことができます。また1株あたり純利益が0に近づくほど倍率もあがっていくので、あまりに高い企業はほぼ利益を出せてない可能性もあるので要注意です。

PBRについてですが、これは株価が1株あたり純資産に対して何倍になっているかを表しています。こちらもこの倍率が高ければ高いほど割高とみなすことができます。

PERならびにPBRは非常にシンプルな指標となります。これらを用いることである企業の株価が同業他社に比べて過剰評価されているのか過小評価されているのかを判断することが可能です。

ベンジャミン・グレアムが説くバリュー株の探し方

ウォーレン・バフェットが師と仰ぐベンジャミン・グレアムという投資家が「賢明なる投資家」という書籍でバリュー投資について説いています。1949年に初版が出版されており非常に古い書籍にはなりますが、今なお人気の高い古典となっています。ウォーレン・バフェットはこの書籍に対して「株式投資の本では過去最高の傑作だ」と賛辞を送っています。この「賢明なる投資家」という書籍は非常に分厚くかなり読みごたえがありますが、投資家としての心構えや証券分析の方法などについて余すことなく記しています。この中で、防衛的投資家が考慮すべき7つの統計的基準というものを示しています。

1. 適切な規模
2. 財務状態が十分に良い
3. 最低過去20年間、継続的に配当がある
4. 過去10年間、赤字決算がない
5. 1株当たり利益が、10年間で過去最低3分の1以上伸びている
6. 株価が純資産価値の1.5倍以下
7. 株価が過去3年の平均収益の15倍以下

これらに対して解説が続きますが、詳細は本のほうに譲るとして、より具体的な判断基準を以下のように記しています。もちろんグレアムが書籍を上梓してから既に半世紀以上経っているため、多少の修正は必要かもしれませんが、かなり具体的となっています。

1. 目安として製造業では年間売上10億ドル以上。公益企業で総資産5000万ドル以上。グレアムは変動の影響を受けやすい小規模企業は避けたほうがよいとしている。
2. 製造業で、流動資産が流動負債の2倍以上。(流動比率200%以上)かつ長期負債が純流動資産(運転資本)を超えないこと。公益企業では、負債が株式資本の2倍を超えないこと。
3. 過去20年間無配の年がない。
4. 過去10年間1株あたり純利益がプラスである。
5. 過去10年間において最初の3年間と最後の3年間の平均を比べて、1株あたり利益が、3分の1以上伸びていること。
6. 過去3年間の平均収益を用いてPERを計算し、PERが15倍以下である。
7. PBRが1.5倍以下である。ただしPERが15倍以下であれば、PBRが高くても構わず、PER×PBRが22.5以下であればOKとしている。

簡単にいってしまえば、大企業かつ財務状況や業績そして配当がしっかりしており、PERとPBRで割安と判断できる企業が投資対象になるとしています。PERや利益の伸びの評価ポイントとして、過去数年の平均収益を用いているところもポイントだと思います。1期だけの業績だけで判断してはいけない点に注意しましょう。

バリュー投資 vs グロース投資

バリュー投資は防衛的(ディフェンシブ)投資家に向いているといわれています。相場の下げ局面においては、全体的にほとんどの企業の株価が下がってしまいますが、先ほどの評価基準を満たす企業であれば、他銘柄よりも下げ渋るでしょう。また相場が上向けば株価の回復も早い傾向にあります。一方でグロース投資は積極的(アグレッシブ)投資家に向いているといわれており、上げ局面においてはPERやPBRといった指標を無視して、どんどん株価が上昇していきます。ただし、ひとたび下げに転じた場合は下げ幅も非常に大きなものになってしまいます。ロングやショートを使いこなせる投資家であればグロース投資で利益を狙うことは可能ですが、そこまで相場に張り付くことができない個人投資家の場合は、バリュー投資のほうが向いているケースも多いのではないでしょうか。

まとめ

今回はバリュー投資についてベンジャミン・グレアムの評価基準なども含めて取り上げてみました。バリュー投資ですが、投資対象となる企業はかなり堅実なところに限られるのが特徴です。グレアムの示した投資対象に合う企業となると、かなり企業数は絞られることになるのでしょうが、それだけ堅実な投資方法であることもよくわかると思います。

グレアムの投資基準は過去の平均業績を重視しているところも特徴です。PERは直近の利益ベースで計算することになりますが、グレアムの場合は過去3年の純利益平均で計算することとしています。また将来の業績予測は当てにならないともしており、あくまで実績を重視することが大切と説いています。グロース投資は、市場の上昇局面では大きな利益を生みやすいのですが下げ相場では反動で大きな下げによる損失を出す傾向になります。バリュー投資は○○ショックのような相場全体が大きく下げる局面で大きな効果を発揮することになるでしょう。投資家自身の性格や投資マインドによって自分に合う投資スタイルは変わると思います。色々と投資戦略を試してみるのも長く相場と付き合う上では非常に大事なプロセスといえるでしょう。

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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