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2023.8.17

【2023年版】中国株式市場の将来性と対中国投資減少の影響について

【2023年版】中国株式市場の将来性と対中国投資減少の影響について
目次
01. 
中国について
矢印
02. 
中国株式と代表的な指数について
矢印
03. 
中国株式市場への投資方法
矢印
04. 
中国経済は今度どうなるのか?中国株の将来性 これからの中国株式市場
矢印
05. 
まとめ
矢印

ボンジョルノ!皆さんこんにちは!

今回は常に話題となる中国経済について取り上げたいと思います。2018年のトランプ政権による中国製品への関税強化から始まった米中貿易摩擦も継続しています。中国株式市場についてや将来性についてみていきたいと思います!

中国について

人口とGDPの比較(国連ならびにIFAより/2023年)

出典 World Population Dashboard (unfpa.org)  World Economic Outlook (April 2023) – GDP, current prices (imf.org)

人口では最近インドに抜かれてしまった中国ですが、それでも国の経済力を測る指標「GDP(国内総生産)」では、圧倒的規模を誇っておりアメリカに次ぐ世界第2位となっています。2000年代までは、実は日本がGDPでは米国に次ぐ世界第二位となっていましたが、2010年に中国が第二位に躍り出てからは大きく差をつけられてしまっています。その事実をみてもこの十数年で中国経済が大きく成長したことがご理解いただけるかと思います。

インドについての記事も以前掲載しておりますのでこちらも是非!

中国株式と代表的な指数について

中国での証券取引の歴史は19世紀上海からスタートしました。ただし外国人商人が設立した会社が証券業をスタートさせたこともあり、当初は外国人により独占されており、また取引銘柄もロンドンおよびニューヨークの株式がメインとなっていました。その後1918年に北京と上海に証券取引所が設立され、証券取引も活発となっていきますが国民党と共産党の内戦を経て現在の中華人民共和国が建国された、といった当時の国内情勢も影響し、1950年には両取引所とも閉鎖され、いったん証券取引は中国から姿を消します。そして40年ほどの時を経て1990年12月に上海証券取引所が設立され、翌1991年7月に深セン証券取引所も設立され、中国の証券取引が再開します。

中国株式については、現在日本の証券会社から個別株も購入することができ、非常にアクセスしやすい証券市場となっています。中国株式はA株、B株と別れており、もともとA株市場は中国国内の投資家のみが利用することができ、海外個人投資はB株市場に上場する銘柄にしか投資できませんでした。しかし、2014年11月以降は一定の条件下で海外投資家がA株市場にも直接投資することが可能になっています。

このように日本や米国の株式市場ほどオープンにはなっていない点と、中国政府の意向次第で一気に政策変更の煽りを受ける銘柄がある点は注意点かと思います。とはいえ他の新興国市場よりは投資しやすい環境ともいえるので先進国市場以外の投資を検討したい場合にはまず選択肢の一つに入るでしょう。

それでは代表的な株式指数についてみていきましょう。

上海総合指数

上海総合指数の推移(1996年4月~2023年8月)

上海証券取引所に上場している全銘柄(国内投資家向けのA株、外国人投資家向けのB株両方含む)で構成される指数です。1990年12月の基準値を100としています。2023年8月16日時点で3160ほどとなっています。2007年10月に6092をつけましたが、その後リーマンショックなどの急落からの回復後も値を戻せずにいます。金融セクターの割合が高く、この後紹介する深セン総合指数の値動きとはだいぶ違います。

深セン総合指数

深セン総合指数の推移(2004年11月~2023年8月)

深セン証券取引所に上場している全銘柄(国内投資家向けのA株、外国人投資家向けのB株両方含む)で構成される指数です。1991年4月の基準値を100としています。深センは香港と隣接する中国の広東省にある街です。広東省は製造業のメッカとなっており世界の工場といっても間違いない広大な地域となっています。多くのグローバル工業製品がこのエリアで製造されていますし、技術開発なども盛んです。そのため深セン株式市場にはハイテク株が多く上場していることもあり、上海総合指数とは違った値動きとなっています。こちらのほうがハイテク企業などの成長の恩恵もあり、右肩上がりのチャートとなっているのが特徴的です。

中国株式市場への投資方法

今でこそ世界第二位のGDPを誇ってはいますが、中国株式市場は先進国ではなく、新興国株式インデックスなどに組み込まれています。投資信託を使って投資する場合は、中国株式市場が投資対象に含まれているかを事前に目論見書等で確認しておくとよいでしょう。中国株式は、今でこそ海外からも投資しやすい状態であり、日本国内の証券会社を使って、個別株への投資も可能になっています。なお個別株の場合は手数料にも注意しましょう。SBI証券のウェブサイトをみてみると、約定代金の0.26%(税抜き)の手数料が購入・売却時に発生するとありますが、最低手数料で47香港ドル(税抜き)のため、2023年8月16日時点のレートで約870円となっており、米国株と違い少額での注文には不向きとなっています。とはいえ、個人投資家でも気になる中国企業の個別株へ直接投資できるのは魅力的です。日本でも有名なアリババホールディングスやバイドゥ(百度)などの個別株へ直接投資することも可能ですし、これからグローバル企業へと変遷していく企業に事前に投資できていればかなり大きなリターンを得られるでしょう。

中国経済は今度どうなるのか?中国株の将来性 これからの中国株式市場

2018年に米国のトランプ政権が中国製品に高い関税を課し、中国も同様に米国製品への課税で報復したことで、米中貿易摩擦が始まりました。米国による華為(Huawei)への措置など記憶に新しいかと思います。私自身シンガポール駐在中はHuawei製のスマートフォンを使っていたので、それまで人気だったHuawei製品が米国の制裁などもあり、一気にブランド力が落ちていくのを目の当たりにしていました。その後台湾に異動するのですが、そこではHuawei製品は敵国製品という扱いになっており周りの印象もよくなかったのですぐに買い替えることになりました。現在でも米中の覇権争いが継続しており、また中国企業のバックには人民解放軍の影響力もあるのでは、という懸念から安全保障面でも中国企業への風当たりが厳しい状況が続いています。

2023年8月13日の日経新聞の一面には「外資の中国投資 最小 米中対立の激化懸念」とあり、4~6月の外資の対中直接投資はデータとして確認できる1998年以降で最小になった、とあります。

参考元:外資の中国投資最少 4~6月、87%減 – 日本経済新聞 (nikkei.com) 

外資企業が中国への投資を抑えているのが数字としても表れてきています。

これまで米国企業や日系企業は中国で大量に安く製品を作り、日本市場はじめ各国へ輸出することで利益をあげていました。ただし中国も経済成長に伴い、人件費が大きく上がり、コストメリットも出せなくなってきている上に、政府の急な方針転換への対応など中国でビジネスを行うのは非常に難易度も高く、チャイナ+1といって中国からタイやベトナムなど東南アジアへ製造拠点をシフトしていく流れも継続しています。中国政府の反スパイ法などで駐在員が拘束されるといった事態も実際に発生しており、駐在員を置く企業側もチャイナリスクを意識せざるをえない状況となっています。

また一人っ子政策などの影響もあり、少子高齢化が一気に進んでいるのが中国の特徴です。ジェトロの地域・分析レポートをみると、中国の人口は既に減少に転じており、2100年には現在の14億人規模から8億人を割ると予想されています。また生産年齢人口は2050年までに2億人以上減少とも予想されています。

参考元:中国の人口が減少、2023年にはインドが世界首位:国連予測 | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ (jetro.go.jp)

これまで広い土地と、多くの人口で、世界の工場という立場を得て経済成長してきましたが、大きく人口減が見込まれることでこの立場を持続するのは難しいのではと思われます。

一方で、一時期の華為(Huawei)しかり中国企業・中国ブランドがグローバルブランドとして世界で存在感を示すケースは今後も継続すると思います。ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハサウェイも中国の電気自動車企業である⽐亜迪(BYD)株を一時期まで大量に保有していました。BYDブランドの電気自動車は日本でも電気バスなど導入されています。大きな国内市場・生産拠点・開発拠点を併せ持つ中国企業の台頭は今後も継続するでしょう。

まとめ

今回は中国経済と中国株式市場の将来性についてみてきました。世界第二位のGDPを誇り、人口も14億人と非常に巨大な市場をもつ中国ですが、米中貿易摩擦しかり政治要因での不安要素が拭えず、外資の中国投資も非常に慎重になっているというのが現状です。2022年のロシアによるウクライナ侵攻で、西側陣営の経済制裁に伴い、ロシアへ進出していた外資企業の撤退なども記憶に新しいと思います。中国についても今後の米中対立の方向性いかんでは同様のリスクが意識される可能性もあり、我々投資家も中国株式市場への積極的な投資が難しいかもしれません。ただし今でも多くの工業製品はMade in Chinaであり、また世界第二位のGDPそして14億人を超える巨大な内需もある巨大マーケットであることに変わりはありません。将来もし米中貿易摩擦が解消する事態となれば、また大きく流れが変わることも予想されます。

中国経済には今後も注視していきたいと思います!

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

↓以前インドやシンガポールについても取り上げております!是非参考まで!

黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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