ボンジョルノ!皆さんこんにちは!
昨今債券の利回りが上昇しており、特にインフレ進行の激しい米国における債券利回りは2年債利回りで5%を越えている状況です。債券投資を検討中の投資家の方も多いのではないでしょうか?
株式投資ではインデックス投資と呼ばれ、個別銘柄への投資ではなく、S&P500や日経平均などの株価指数(インデックス)に連動する投資信託やETFに投資する方法は人気があります。債券においても同様にインデックス投資は可能なのでしょうか?
インデックスとは何ですか?
インデックスとはS&P500や日経平均株価やTOPIXなどといった市場の値動きを示す指数のことを指します。
(インデックスは日本語に訳すと指数という意味)株式市場の場合は上場銘柄も多岐に渡るため、個別銘柄の値動きだけをみても株式市場全体の動きを把握できないため株価指数(インデックス)がよく活用されます。皆さんも日本株では日経平均株価やTOPIXといった株価指数の名前はニュースでもよく聞くでしょう。
米国株であればS&P500やダウ平均株価などが株価指数として有名です。「指数」と言われてもピンとこないかと思いますので、いくつか実際のものをみていきましょう。
S&P500指数の基準
S&P500は、1957年に米国の格付け会社であるS&P社が公表を始めた株価指数で、もともと工業株425銘柄、鉄道株25銘柄、公益株50銘柄の計500銘柄の株価を時価総額加重平均したものがはじまりです。その後選定基準を変更しながらも、米国市場全体を表す指数として今日まで使われ続けている株価指数です。
日経平均株価の基準
日経平均株価は、1970年台に日本経済新聞社が算出・公表を開始した株価指数で、東証一部(現在のプライム市場)に上場する株式銘柄のうち、取引が活発で流動性の高い225 銘柄の株価を一定の基準のもと平均して算出したものとなっています。TOPIX(東証株価指数)と並んで国内で非常によく利用される株価指数です。
S&P500と日経平均株価についての説明をみて気づいた方もいるかもしれませんが、指数は別に政府や証券取引所が決めたものしか利用されないということはありません。一定の基準のもと銘柄を選定可能で、その選定した銘柄から値を計算できるものであれば何でも指数として機能するのです。それこそS&P社や日本経済新聞社のように、企業や個人がマイ指数を勝手に作ることももちろん可能です。
では何故S&P500や日経平均株価が広く利用されるかというと、株式市場全体の値段の騰落を把握しやすいからというメリットがありますし、長年にわたって既に使われているのでデータに連続性があり、過去の株式パフォーマンスとの比較も容易であるなど様々な要因があります。
債券インデックスとは何ですか?
債券インデックスとは、複数の債券を一定の基準で選定したものから、算出する指数のことです。
ただS&P500や日経平均株価といった株式市場で使われるインデックスと違って、債券インデックスはあまり聞いたことがないかもしれません。その原因は、債券市場は各国の政策金利や国債利回りで市場全体の動向を把握することができるため、債券インデックスは普段ニュースなどではあまり使われないためです。
というのも株式であれば個別銘柄の値動きはバラバラですが、債券市場は市場の金利動向に連動するため、わざわざ指数を使わなくても、金利情勢をみれば簡単に債券市場の動向を把握できてしまうのです。とはいえもちろん債券指数も存在しますので有名なのを一つご紹介しましょう。
NOMURA BPI総合
NOMURA BPI 総合は、1986年から野村證券が公表する日本国内で発行された公募利付債券の市場全体の動向を表す指数です。野村證券が作成したルールに従い、一定の条件を満たす国内債券から、指数の値を算出しています。
株式投資におけるS&P500や日経平均株価のようなインデックスに連動する投資信託やETFを使ったインデックス投資が可能なのと同じように、債券投資においてもこうした債券インデックスに連動する商品を使って債券のインデックス投資が可能となります。
債券インデックス投資は投資信託やETFを使って行えます!
債券におけるインデックス投資は、債券インデックスに連動する投資信託やETFを利用することで可能です。インデックス投資であれば、個別債券ではなく複数の債券への投資となります。そのため分散がきいており発行体リスクを抑えることができます。
これは個別銘柄への投資であれば、万が一投資先の発行体が経営不振などでデフォルトした場合は元本毀損のリスクを負うことになりますが、インデックス投資であれば多くの銘柄のうちの1銘柄への影響にすぎないので、元本毀損が発生したとしても投資ポートフォリオ全体へのダメージを軽減することができるということを意味します。
またインデックス投資の特徴として信託報酬の安さがあります。投資信託やETFを運用するファンドは自身で銘柄選定を行うチームを用意する必要がなく、公表されている指数のパフォーマンスに連動するように運用するだけなので、運用コストが大きく違うためインデックス投資のほうが、手数料は安くなる傾向にあります。長期投資の場合は小さな手数料率の差もちりも積もればで運用パフォーマンスに影響を与えるため、運用コストは意識しておいて損はないでしょう。
債券型投資信託とは?
債券型投資信託とは、投資信託のうち投資対象を債券に絞ったものを指します。公社債投資信託や公社債投信が正式な名称であり、投資対象に株式が一切入っていない投資信託のことを指しています。債券型投資信託つまり公社債投資信託を利用することで、投資信託を通して複数の債券への分散投資が可能となります。なお投資信託によって投資対象となる銘柄は大きく違います。債券インデックスに連動する投資信託を選ぶことで、債券のインデックス投資が実現できます。
債券インデックス投資のメリットとデメリット
債券投資におけるインデックス投資のメリットとして挙げられるのが、少額からでも複数銘柄への分散投資が実現できることでしょう。債券の個別銘柄を、分散効果を得るために複数所有しようとするとそれなりの資金力が求められます。
例えば債券が1000ドルから購入可能だとすると、10銘柄に投資しようとすると、1万ドルが必要になってしまいます。また経営不振によるデフォルトなどの発行体リスクを抑えるには10銘柄分散でも足りないと考えた場合は、さらに多くの銘柄を購入する必要があります。その点債券インデックス投資を、投資信託を使っておこなえば、それこそ証券会社によっては数百円から買い付けできてしまうので、資金力がない場合でも分散投資が簡単にできることが最大のメリットとなります。
債券投資におけるインデックス投資のデメリットとしては、満期償還という概念がないことが上げられます。債券が株式と大きく違うのは、永久劣後債など特殊な債券を除けば、満期まで保有していれば額面で償還される点です。つまり円建て債券に投資した場合に、発行体が途中で経営破綻などしなければ、満期まで保有すれば額面で償還され元本割れの恐れがない投資先とみることができるのです。そのため法人などでは株式より債券への投資が一般的です。
インデックス投資をしてしまうと満期が違う複数銘柄を大量に保有し続けることとなるため、この満期償還という概念がなくなってしまいます。ですので現状のように金利が上昇している、つまり債券価格が下落している市場環境の場合、公社債投資信託の価格はどんどん下落していってしまうことになります。
その他のメリットやデメリットについては過去記事でも解説しておりますのでぜひ参考になさってください。
投資信託とETFの違いとは一体!?ETFって一体なんなんだろう?こちらの記事で投資信託とETFの違いを解説していきます。https://t.co/4i3EBOAnuQ#投資信託#ETF#投資信託vsETF
— 株式会社ポンデア (@pondea_inc) August 1, 2023
まとめ
上記はNOMURA BPI総合の推移を表したチャートとなります。金利はずっと下降し続けてきたので、その分この指数のパフォーマンスは右肩上がりで上がり続けてきました。ただし昨今の金利上昇に伴い直近数年でパフォーマンスが落ちてきているのがわかります。
債券投資においては株式と違い発行体の業績よりも、市場金利がパフォーマンスに大きな影響を与えます。今後金利が上昇すると予想する投資家の方であれば、債券への長期投資を考えた場合はインデックス投資よりも満期時期をずらして複数の個別債券に投資して満期償還まで保有したほうがよいケースも多いかもしれません。
債券におけるインデックス投資の場合は、満期償還という債券投資の特徴をひとつ失うことになるため、その点は是非理解しておいていただければと思います。債券投資について相談したいケースは是非IFAを利用して、複数の証券会社が販売する債券から自身のニーズに合致したものを紹介してもらうとよいでしょう!
それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!