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2023.5.26

ヘッジファンドとは?手数料体系やリスク・リターンについて

ヘッジファンドとは?手数料体系やリスク・リターンについて
目次
01. 
ヘッジファンドってなに?
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02. 
ヘッジファンドへの投資
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03. 
ヘッジファンドの手数料体系
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04. 
ヘッジファンドのリスクとリターン
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05. 
まとめ
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ボンジョルノ!皆さん、こんにちは!

皆さんは「ヘッジファンド」という言葉を耳にしたことはあるのでしょうか?投資経験やご年齢によってもその言葉がもつイメージは変わってくるかと思います。良いイメージ、悪いイメージ、そもそもイメージが沸かない等、反応は当然人それぞれだとは思いますが、投資を進めていく上でヘッジファンドへの理解は大事です。それにたまに日経新聞の紙面などにもでてきますので知っておいて損はないでしょう。それでは今回はヘッジファンドについて解説していきたいと思います。

ヘッジファンドってなに?

ヘッジファンドのヘッジ(Hedge)には生垣や生垣で囲う、転じて、防護措置を講じるや、賭けや事業で両方に賭けて防衛する、といった意味があります。ヘッジファンドは相場の上げだけで利益を上げるわけではなく、下げの局面でも利益を上げるように運用するファンドとなります。まさに上げと下げの両方に賭けながら利益をとっていくという手法となります。なので、株価が暴落するような局面でも、下げに賭けていたヘッジファンドは莫大な利益を上げることができます。

ヘッジファンドの歴史は古く、1949年にアルフレッド・ジョーンズにより米国で初めて創設されました。彼の戦略はロングショート戦略といって、いくつかの株式銘柄のうち値上がりを期待できるものをロング(Buy)し、値下がりが見込まれる銘柄をショート(Sell)するという現在では非常に伝統的な戦略で成果をあげました。ロングショート戦略により両方を利用するため市場の方向性に左右されることなく収益を上げられるようになったことが革新的でした。その後もヘッジファンドは進化を遂げて、様々な有名なヘッジファンドマネージャーが生まれました。

ヘッジファンドの会社として有名なところはレイダリオの「ブリッジウォーターアソシエイツ」やジョージソロスの「ソロス」があります。歴史的背景を振り返ると、こういったヘッジファンド、私募ファンドは1980年代後半から1990年代にかけてアメリカで成長しました。その後、世界中で普及し、今や日本でも私募ファンドへの関心が高まっています。その理由の一つに、株式市場や債券市場とは異なる投資先を求める投資家が増えたことが挙げられます。私募ファンドの投資先は株式や債券に限定されません。もちろん不動産や金・原油・小麦といったコモディティも投資対象になります。

私募と公募の違いはこちらの記事もチェック!

「ヘッジファンドって私募ファンド?公募と私募の違いや特徴をわかりやすく解説」記事へのリンク

ヘッジファンドへの投資

残念ながら有名どころのヘッジファンドはすべて国外にあり、直接そういったヘッジファンドに投資できる機会は日本の個人投資家にはあまりありません。そもそもヘッジファンドは私募ファンドという形で基本的に設定されており、我々が普段目にする投資信託などの公募商品と違って情報はあまり開示されていません。特に世界的に有名なヘッジファンドであれば既に募集をクローズしているファンドも多いです。とはいえどんなに人気なファンドであっても解約なども定期的に出るので、そのタイミングで投資できる機会が発生することはあるのですが、日本の投資家を対象にしていないケースもあり、我々が直接投資できる機会というのはかなり限られています。

なお一部の日本の証券会社等を介してヘッジファンドに我々が投資できるチャンスはあります。最低投資金額がどんなに低くても10万ドルや20万ドル以上だったりするので、ネット証券などで投資することはできないでしょうし、大手の証券会社でも扱っているケースは限られます。

なおヘッジファンドは私募であるため、素人の方が怪しい話との区別をつけるのは難しい可能性があります。必ず金融庁に登録されている業者を通して投資を検討するように気を付けてください。複数の証券会社に所属するIFAに相談すれば、ヘッジファンドへの投資の相談を受け付けてくれると思います。

ヘッジファンドの手数料体系

ちなみにヘッジファンドの手数料体系はどうなっているのでしょうか?よくあるのが成功報酬型といって、ファンドの成果がプラスとなった場合に、そのプラス分に対して20%などの手数料を徴収するパターンです。また投資信託の信託報酬と同様に保有期間中に数パーセントの手数料がかかってくるパターンも一般的です。一般的な投資信託に比べると手数料としては高くつきますが、成果がどれだけ出ているかが全てですので、過去の運用実績なども踏まえて検討するようにしましょう。またヘッジファンドによって手数料体系や手数料率はそれぞれ違いますので、こちらも実際の投資の際にしっかり確認するとよいでしょう。

ヘッジファンドのリスクとリターン

ヘッジファンドを選定する際に、当然期待リターンやリスクは気になると思います。手数料が投資信託等に比べると高額になりやすいため、そこまでリターンが出ないのであればあえてヘッジファンドに投資したいとは思えないでしょう。当然過去の実績ベースになってしまいますが、年平均で10%以上のパフォーマンスを出すようなトップクラスのヘッジファンドも存在します。リーマンショック前から存在するある程度の歴史のあるヘッジファンドから選んでいくことで、将来の期待値もある程度予測することができると思います。

なお、ヘッジファンドの魅力は期待リターンだけでなく、リスクの部分も同様です。ヘッジファンドが採用する戦略にもよりますが、絶対収益型といってどんなマーケットの状況下であっても収益を狙っていきます。そのためリーマンショックやコロナショックなどの相場急落の際にも大きな利益をあげるヘッジファンドがいくつもあるのです。また上げでも下げでも利益を出すため、結果としてリスク(リターン実績のばらつき)が抑えられるのがヘッジファンドの魅力でもあります。また株式市場との相関性が低いヘッジファンドに運用することで、ポートフォリオの分散化にもつなげることができます。どのヘッジファンドを採用するかにもよりますが、自身の運用ポートフォリオに取り入れることでリスク・リターンのバランスを調整することが可能です。

まとめ

ヘッジファンドの取り扱いは日本ではまだまだ少ないのが現状です。もし興味がある場合はヘッジファンドの紹介が可能なIFAに相談してみるのも一つです。気を付けていただきたいのが必ず金融庁に登録のあるIFA業者に相談することです。絶対に金融庁に認可されていない企業や個人には相談しないように注意してください。

なおヘッジファンドへの投資は、以前は1億円や100万ドル以上からしかできませんでしたが、最近は1千万円や10万ドルから可能という条件も出てきており、投資ポートフォリオの中に加えるにも手を出しやすい資産クラスとなってきています。1億円以上の運用ポートフォリオとなってきた場合は一度自身のポートフォリオに加えることも検討してみてはいかがでしょうか?

それでは皆さん、アリーヴェデルチ!またね!

ヘッジファンドの運用戦略についてはこちらの記事も見てみてくださいね!

「ヘッジファンドの運用戦略。絶対収益型とは?」記事へのリンク
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黒田太郎
執筆者
黒田太郎
ファイナンシャルプランナー
オーストラリアのLaTrobe大学でコンピューターサイエンスを専攻。卒業後日系メーカーに就職しタイ、シンガポール、台湾に駐在し通算13年の海外生活を経験後、退職しFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍中。 一人でも多くの人の役に立つような情報、たまにちょっとニッチな情報と幅広く発信させて頂きます! 保有資格 AFP認定者、ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員一種、応用情報技術者
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